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ドイツ旅行記2017⑥~7/28ハンブルク(2)

晴れ間もあったが基本は曇り空。朝食はとてもリッチ。コンチネンタルの朝食メニュー一揃えに加え、卵料理はシェフがお客の注文で焼きたてを出していた。さすが海の街ハンブルク、魚のオーブン焼きやマリネもあって美味しかった。

H_ebh 昨日の経験を踏まえ、アルトナからバルラッハ・ハウスのあるクライン・フロットベック駅まで初めてバスで向かう。通常なら3ユーロ20セントかかる運賃も、振替輸送なので鉄道チケットを示せば無料だ。これまでバルラッハ・ハウスはSバーン一本で行きやすいという頭だったので、バスと聞いた当初はショックだったけれど、ギュストロウのアトリエハウスだって駅からバスだ。そういうものと意識を変えてしまえばどうということはない。

バルラッハ・ハウスへは開館時間(11:00AM)直前に着いた。私がこの日最初の来館者だ。今回も別の芸術家の回顧展を併設していた。まずはひとまわりして彫刻たちの姿を色々な角度から撮影した。いつか体力的にも来ることのできなくなる日は訪れる。その時のために、できるだけ多くの写真を手元に残しておきたい。今日は一日ここにいたっていいのだから。

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H_ebh12_3耳を澄ます人たちのフリーズ”の中の“巡礼者”。穏やかに微笑む像という印象だったけれど、正面に近い角度から撮ると、全く異なる厳しい表情が見えてくるのに気づいた。慣れ親しんだ故郷を独り出て、神の恩寵のみを求め、町から町へ、国から国へと旅ゆく人。それは肉体的に過酷な道のりであると同時に、精神的にもあらゆるものを脱ぎ捨てていくことを余儀なくされる厳しい旅路だろう。「巡礼」という名前を見た時からただの柔和な人ではないと思っていたが、やはり秘密はあったのだ。

ガラス天井の中央スペースはブロンズの展示室。正午の日射しが明るすぎてうまく撮れない。ところがそこへ突如強い通り雨が来た。おかげで写真にはちょうどよい陰りとなり、撮り直すことができた。

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H_ebh14今日初めて見たのが“泣く老女”の木彫りだ。体をくの字型にかがめて口元を覆う老女の
像は、アトリエハウスにも漆喰製のモデルが展示されていたけれど、ここに木彫りがあるとは知らなかった。貴重な一点ものをまた一つ見ることができて感激だ。

また、映像コーナーで流れているバルラッハの軌跡を辿るビデオに、バルラッハの肉声が収録されているのを発見!また夢中でデジカメに収めてしまった。音声はよくないけれど、こちらです。「eb_voice.THM.AVI」をダウンロード

こうして2時間以上を過ごして中央駅へ戻ってきたところで、またポツポツ来る。ドイツはこのところ全土で天候が不安定らしく、各地で浸水被害も出ているのだそうだ。

午後は中央駅の駅裏通りの散策。事前に調べておいた雑貨店数軒を訪ねてみたがはずれ。書店めぐりも想像していたようには進まず、これは失敗だったかなと思い始めた矢先、南口にほど近い一軒の古本屋(Buchhandlung Antiquariat Bernhardt)で掘出し物を見つけた。バルラッハの最初の理解者の美術商パウル・カッシーラー夫人だった舞台俳優のティラ・ドゥリューの自伝だ。バルラッハは彼女の胸像を製作しており、彼女の方では“耳を澄ます人たちのフリーズ”に資金を出すなど、両者の関わりは深い。その土地でしか手に入らない本に出会う興奮を、何軒目かでやっとドイツでも味わえた。
ここは調べた書店の中でもちょっと場所が離れていたので行こうか省こうか迷っていたのだが、たまたま近くまで来たし覗いてみることにしたのだった。その店構えはこれぞ古本屋!ドアを開けるやいなや、天井までうず高く本がぎっしり。通路は確保されているけれど視界はほとんど無く、どこかでくぐもった会話が聞こえるものの姿は見えず、崩れたら命が危ないので慎重にかき分けていくと、突然目の前に中年のちょっとくたびれImg_2409たお兄さん感のある店主さんが現れた。「何かお探しですか?」と愛想よく声をかけてくれたので、「ドイツ映画の本を」と答えると、「はいはい、こちらです」と案内してくれた。見れば結構奥行きがあり、そこここに客がいた(本しか見えなかったのでわからなかったのだった)。
そう、こういう所に来たかったのだ、私は。昨日まわった数軒は、高級ブティックやカフェの立ち並ぶアルスター湖周辺にあり、古書といってもシミひとつない物やヴィンテージものしか置いていなかった。でもここはまさに本当の“古本”屋。私が買った本もカバーが破けていたので、7ユーロ50セントと書かれていたのを5ユーロにまけてくれた。次来る(来られたら)楽しみができたなあ。お気に入りの店ができると、その街との関係が一歩前進する。拙いドイツ語の会話も、この日今回でいちばん弾んだような気がした。

ドイツ旅行記2017⑦   

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コメント

こんにちはまあしゅ様
大変ご無沙汰しております。実は私事の告知をメールしたくそちらに送ったのですが戻ってしまったので大変申し訳ありませんが、HPを利用させていただきました。

送ったメールの文章は

長い間ご無沙汰して失礼しておりますが、お元気でお過ごしでしょうか?
愚生はその後なかなかドイツを訪れる機会を持てないまま忸怩たるおもいでおります。
まあしゅ様は昨年も行かれたようですが、いつかバルラッハについて是非お会いして
お話をお伺いしたいと僭越ながら勝手に思っております。
拙作ばかりを揃えた個展ですが、毎年させていただいており今回は是非まあしゅ様にご案内をと
連絡いたしました。直近の来週からの開催ですが、もしよろしければお出掛けの折にでも
お立ち寄りいただければ幸いです。

南部治夫展
ギャラリーGK 中央区銀座6-7-16第一岩月ビル1階
2018 7月23日~28日 PM12:00~PM7:00(最終日はPM4:00)

前に訪れた時に印象に残ったバルラッハの天使のレリーフを自分なりに木に摸刻したのもや、
それは2点ほどですが、その他は木彫が5~6点とデッサンが5点ほど並べてみようと思います。
本当に小さなこじんまりとした画廊ですので、お気軽にお越し下さい。
それでは猛暑が続く毎日ですが、お身体くれぐれもご自愛のほど祈念申し上げます。

                                            南部治夫 拝

です。
何卒よろしくお願い申し上げます。

投稿: jigen | 2018年7月19日 (木) 13時00分

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